第84回 アカデミー賞(The 84th Academy Awards)主演男優賞、助演男優賞 ノミネーションと受賞者・受賞作品一覧

2012年2月26日 授賞式
受賞作品・受賞者は朱字で示されています.
 

主演男優賞 Actor in a leading role

 

  • デミアン・ビチル(Demián Bichir)『A Better Life』
  • ジョージ・クルーニー(George Clooney)『ファミリー・ツリー』(原題: The Descendants)
  • ジャン・デュジャルダン(Jean Dujardin)『ジ・アーティスト』(原題: The Artist)
  • ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)『裏切りのサーカス』(原題: Tinker Tailor Soldier Spy)
  • ブラッド・ピット(Brad Pitt)『マネーボール』(原題: Moneyball)

<ノミネーション感想>
このカテゴリーにライアン・ゴスリング(Ryan Gosling)、マイケル・シャノン(Michael Shannon)、マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)の名前がないのに驚く.
ゴスリングは、日本では奇遇にも同じ3月31日に公開される二作『ドライヴ』(原題: Drive)と『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』(原題: The Ides of March)で素晴らしい演技を見せている.
昨年の『ブルーバレンタイン』(原題: Blue Valentine)でもノミネートされず、アカデミーはいったい何故彼を認めないのかさっぱり理解できない.
ビチルもピットもいいが(特にビチル)、ゴスリングのリーグではなかった.
シャノンは『テイク・シェルター』(原題: Take Shelter)で、ファスベンダーは『SHAME シェイム』(原題: Shame)で、両者ともに極限の演技をしているのだが、彼らの演技も認められなかった.
何がクライテリアか疑問に思う.
ノミネートされた俳優の中で、オールドマンの押さえた、無駄のない、知性を感じさせる演技は、静かすぎるととられるかもしれない.その上、昨年の勝者が英国俳優だったことからも、彼が受賞するチャンスは少ないであろう.
そこの所を考えると、クルーニーとデュジャルダンの一騎打ちということになる.
デュジャルダンの体当たりの演技も見どころがあるが、二枚目のクルーニーが、かっこの悪い役をまたもやうまくこなしている事もあり、ハリウッドにおいて公私とも人気のある彼に票が集まるのは無理もない.
 
<結果発表感想>
昨年主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンがノミネート男優にひとり一人話しかけるのだが、今ひとつ台詞を棒読みしているようで感情がこもっていなかった.
勿論、オールドマンだけは別だ.
リュック・ベッソン監督の1994年作品『レオン』(仏題:Léon、英題:Léon: The Professional)で共演したオールドマンに「これが初めてのノミネーションなんて信じられない」と訴えていた.
オールドマンのうれしそうな投げキスも粋に見えるからすごいものだ.
作品賞はともかく、主演男優賞も『ジ・アーティスト』に行くとは思っていなかった.
「I love your country!」と勢いよく叫ぶデュジャルダンはチャーミングで、よくホームワークをしてきていて、1929年のアカデミー賞授賞式は、たったの15分だった、と皆を笑わせた.

 

助演男優賞 Actor in a supporting role

 

  • ケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)『マリリン 7日間の恋』(原題: My Week with Marilyn)
  • ジョナ・ヒル(Jonah Hill)『マネーボール』
  • ニック・ノルティ(Nick Nolte)『Warrior』
  • クリストファー・プラマー(Christopher Plummer)『人生はビギナーズ』(原題: Beginners)
  • マックス・フォン・シドー(Max von Sydow)『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(原題: Extremely Loud and Incredibly Close)

<ノミネーション感想>
アルバート・ブルックス(Albert Brooks)の名前がないとは、どういう事なのだろうか.
ゴスリングのことから考えて、審査員は『ドライヴ』を見ていないとしか思えない.
それとも、二人も大御所老優をノミネートしたから、平均年齢を下げる為に若い者を入れなくては、と変な思考がまわったのだろうか?
勿論、80歳を超える名優マックス・フォン・シドーが、これまでアカデミー賞を一度も受賞していないのも理解し難い.
そして、同じ事がプラマーにも言える.
フォン・シドーにとってもらいたいのはやまやまだが、その役の深さからしてプラマーにいく事になろう.
 
<結果発表感想>
一番高齢の俳優としてこの賞を受け取ったプラマーの笑顔も素晴らしかったが、彼に向けて拍手を贈るフォン・シドーの笑顔はプライスレスだった.
オスカー象を見つめ、真剣に向き合い「私よりたった二歳だけ年上なんだよ、ダーリン、今までいったいどこにいたんだい?」
何度も賞を逃した彼ならではのスピーチだった.そして、母のお腹から生まれてくる時から既に受賞スピーチを練習していたんだ、と笑わせるプラマー.
これまで苦労した妻にノーベル平和賞をという彼を見つめる彼女の表情はとてもきれいだった.
 
 

 

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