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Review by Darcon
このレビューを読んでいる方は、映画のラストシーンを観終わって「ああ終わった」と劇場を出る派だろうか?
それともエンドロールが終わった後も座席にしばしとどまり思考を巡らし疑問に思った事を自分自身の中で解決しようとする派だろうか?
わたしにとっては優れた作品ほどもっと観ていたくなるし、もっと理解したくなる。
そして映画を観終わった後も様々な場面を頭の中で描いてしまう。
『LOOPER/ルーパー』(原題:Looper)はそんな映画のひとつだった。
SFアクション映画と銘打っているから、昨今のSci-Fiに多い特殊効果満載、レーザー性の武器、はたまた『トータルリコール』に出てきた宙を浮く乗り物などのギミック揃い、ビデオゲームとタイアップさせるための言い訳のよう情けない映画かもしれないと覚悟していた。
ところが、知的の上実に興味深いストーリーラインで常時惹き付け、人間関係、忠義、欲望、倫理、道徳、寿命、喪失について考えさせられる作品だったのだ。この映画は少なくとも6人、演技力のある俳優が出演している。
ジェフ・ダニエルズ(エイブ)、ブルース・ウィリス(未来のジョー)、ジョセフ・ゴードン=レヴィット(若き日のジョー)、エミリー・ブラント(サラ)、ポール・ダノ(セス)、ピアース・ガノン(シド)。
ガノンはかわいらしさと空恐ろしさを実にうまくミックスさせた眼差しをしてこれからが注目される子役だ。
この6人以外では、パイパー・ペラーボ(スージー)の背中が評価されるべきだ。ライアン・ジョンソン監督のこの映画は、西暦2074年(未来)に存在する犯罪者組織のマフィアボスが殺しを依頼する西暦2044年(現在)に存在する「ルーパー」と呼ばれる暗殺者・殺し屋たちの物語だ。
2074年になるとテクノロジーが発達し殺人事件を起こして逃れるのは容易ではなくなる。
同じく技術の進化によりタイムトラベルが可能になっていた(表向きではすぐに禁止されたが、裏組織では使い続けられていた)ため、殺したい輩をタイムマシーンで過去に送り過去に存在するルーパーたちに殺させる方が使われるようになった訳だ。
過去に存在する若き殺し屋ルーパーたちが年を経て(例えば20代だったルーパーたちが50代になって)未来に存在するようになると、彼らを過去に送り若き日の己に殺させる、すなわち証拠隠滅が行われる訳だ。
これが「ループを閉じる」ということになる。今のところをもう一回、いやもう二回ほど読んでもらいたい。
通常の支払いは銀塊だが、最後の仕事では金塊がもらえる。
ラストジョブを終え暗殺の仕事から足を洗える事になったルーパーたちは30年間自由気ままに過ごす。
しかしその後彼らは捕えられタイムマシーンで過去に送り込まれ、若き日の自分自身に殺されるというシナリオができあがっていたのだ。
そのサイクルがまわってループは動いていたはず、だっだ。もちろんこの歯車が狂い出す。
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